コルクマリー
「魔法は……安定している。
   ならもう、ボクがここにいる必要は無い。 」

マルチーノ
「リィ…さん?」

コルクマリー
「マルチーノ、グリン王子に感謝するんだね。」

部屋を去るコルクマリー。

コルクマリー
「次の任務は―――」

頭の中を整理する。

コルクマリー
「裏切り者の排除…か。」

コルクマリー
「良い機会だ。あの中にはボクのお気に入りの女性がいる。」

 

………

……





リュシカが去った後、未だ三十指の四人(メルチナ・コモレビ・ピィゲル・馬鹿)はその部屋にいた。

今後の事について話し合っていたところ……

バタンッ!

「!!!?」

その時、突然扉が開く。

皆の視線が扉へと集まる。

コルクマリー
「やあ、皆さん。こんな所に集まって 午後のティータイムの時間かな?」

現れたのはコルクマリーだった。

メルチナ
「―――あんた、…誰だい?」

コルクマリー
「ボクは5本の指のコルクマリー。」

コルクマリー
「アダラパタからの命令でね。―――死んでくれないかい?」

メルチナの方へと近づくコルクマリー。

ピィゲル
「おいおい、ジョークにしちゃあ面白くないな。」

メルチナとコルクマリーの間に割って入るピィゲル。

その刹那、一閃がピィゲルの体を切り裂く

ピィゲル
「ッ!!!」

コモレビ
「ピィゲルさんッ!!!」

床に倒れるピィゲル。ピィゲルの体から異常な量の血液が流れ出る。
出血量から見て……助からない。

コルクマリー
「さあ、次は誰かな?」

黒魔
(…マズい。ここにいる三十指は殆どが魔法器具を持っていない。
  相手はあの5本の指…! )

メルチナ
(たとえ魔法器具があったところで勝てやしない。…殺られる。
   逃げるか? 駄目、そんな隙なんてある筈がない―――ッ!)

メルチナ
「…でも、逃げるしかない。」

分かってはいるのに…足が動かない。
動けば殺されると脳が訴える。

コルクマリー
「逃げる?ボクから? フフフ、面白い事を言うんだね。」

メルチナの、コルクマリーにとって意外な言葉に微笑む

―――その時。

ピィゲル
「マテ…リアル…パズル…。シャイニングベイスン…、」

回避不能の光り輝くタライがコルクマリーに降りそそぐ!!

ピィゲル
「逃げろ…メルチナ!!
 ドルチル!二人を連れて早く行け!!」

明らかに限界を超える出血の中、ピィゲルが立ち上がる。

コモレビ
「そんな…ピィゲルさんも!」

ピィゲル
「早く行けつってんだろ馬鹿野郎ッ!!!」

鬼気迫る顔でドルチルを怒鳴りつける。

ドルチル
「――――テン…ッション上がって来たぜーーーーーーッ!!!!」

パリーンッ!!

ドルチルが二人を無理やり連れて窓から脱出する。

と、同時に

タライの山から斬り裂き魔が現れる。

コルクマリー
「面白い事をやってくれたね…」

ピィゲル
「面白い? 芸人には最高の褒め言葉だね」

辛うじて強気な言葉を吐くが、ピィゲルは立つのもやっとの状態である。

コルクマリー
「それで、君一人残って何をしようというんだい?
  仲間もいないで大丈夫なのかい? 」

ピィゲル
「ボクは爆笑お笑いピン芸人だからね。相方なんて必要ないのさ」

コルクマリー
「一人で…ボクの相手をすると?」

ピィゲル
「これから君にお笑いの真髄を見せてやろう!
  …と言いたいところだけど、・・・・・もう限界みたいでね」

コルクマリー
「君はボクの計画を邪魔した。楽には死なせないよ」

ピィゲル
「楽には死なせない?
ハハハッハハハッハハハ!!」

コルクマリー
「――何が可笑しいんだい?」

ピィゲル
「僕が、たかが三十指に過ぎないこの僕が、五本の指の計画を狂わせたんだ!最高じゃないか!
 なら最後まで、僕は君の思い通りになんてなってやらないッ!!
  アーッハハハハハハ!! 」




クワーン!

ピィゲルの頭上にタライが落ちる



コルクマリー

「!!?」

ピィゲル
…マテ・・リアル・・パ・・ズル、、シャイ…ニン・・グ……ベ・・イ・・ス・・・ン、、
   言った…だろ? 君の…思い・・通りには・・・なって・・やら・・な・・いって…」

ピィゲル
タライに撃たれて死ぬのなら…、芸人として本望さ…」




ピィゲルは幸せそうな笑顔で息絶えた。







――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【あとがき】




いや〜、大失敗だったね(笑)




うひはー☆
↑トップページへ戻る↑